2009年9月18日金曜日

向上心で「慢」をやっつける

 向上心あふれる仲間の存在が、至らぬ私の思い上がりを戒める。仲間って本当にありがたいものです。

 お坊さんは一国一城の主で、回りからも「先生、先生」と持ち上げられる存在なので、よほど自分を制することができる人間でない限り思い上がりの人生を歩み始めます。若いとなおさらでしょう。僕は絶対にそうなりたくないので、常日ごろから「立派だなあと尊敬できる方」との交流を心掛けています。今回、本山知恩院で泊まり込みの研修がありまして、向上心でいっぱいの先輩僧の方々にお会いでき、「尊敬できる方」リストが大幅に更新されました。大いに結構なことであります。

 前々回のエントリでは慢心について書きましたが、「他人の実力を正しく評価できない」「自分の実力を見誤ってしまう」ことが他人との余計な比較を生んでしまい、慢心の濫觴となるということでした。自他ともに掛け値なしで評価することはお釈迦さまの説かれた「中道」に通じます。本来の(浄土教の匂いが入っていない、という意味で)仏教とは、中道の実践によって慢などの煩悩を除滅して成仏(解脱)しようというもの。浄土教的な解釈では、中道の実践なんて聖道門の最たるものであって我々凡夫が成就できるなんてありえないという前提がつくわけですが、その前提を神棚に奉って拝み倒して本質に目を向けないようになってしまうと、「そんなことする必要ない。お念仏だけで往生極楽が可能なんだから」となってしまい、修業の本旨から遠ざかってしまいます。今のカギカッコのような思いが生まれているとしたらまさしく「慢」であるということなんですからね。こういう思想に陥りがちな浄土教系宗派の僧侶は十分に思量しないといけないですね。

 難しい話になっちゃいました。「中道」を心掛けた生き方を実践するには、向上心いっぱいの仲間達の存在は欠かせないなあというのが今回の結論ということで。


↓ 出来事

9/4(金)
朝:月参り − 昼:家庭教師 − 夕:中陰
 彼岸月なのでけっこう余裕時間あり。こういう時しかできない寺務仕事をやっておこう。

9/5(土)
朝:月参り3件 − 昼:月参り、中陰 − 夕:会食
 いろんな法事があるとその度にお話も変わってきます。頭の中がこんがらがってきますが、話をすることでしている方も知識の整理ができていいですね。新たな疑問が出てきて勉強するきっかけにもなりますし。
 会食は明石のお坊さんと。前住職への退職金支給についての手続きなどをお尋ねいただきました(FPとして初めてのご依頼です)。

9/6(日)
朝:月参り2件、納骨 − 昼・夕:部屋の片づけ
 あまり忙しくなかった日曜日。掃除とか雑誌処分とか一気に片づけました。

9/7(月)
朝:月参り − 昼:ジム − 夕:本山でお稽古、習字
 加圧トレ。今日はマシンではなくバーベルやダンベルを使ったトレーニング。これがまた無茶苦茶キツイ。そんなにムキムキにしてくれとは頼んでいないのに、トレーナーは体脂肪率16%という数字を高く見ているようで(数字では普通体形なんだけど)しっかり筋肉をつけていきましょうとのこと。走れないぐらいヘトヘト。20分歩いてストレッチしてお風呂にザブンと入り、すぐに京都へ。本山でのお稽古もいよいよ後半戦がスタート。
 習字の後、いつもは帰っちゃっていないはずのK氏(←プロの二胡奏者)と合流して食事。なるほど、帰らない理由がわかりました。そういうことかあ。

9/8(火)
朝:月参り2件 − 昼〜:デート
 こうやって堂々と「デート」なんて書くのは恥ずかしいけど、ま、隠さないといけないことでもないし。良い話があったら必ず報告しますから、待っててくださいね、関係者各位。

9/9(水)〜11(金)
全日:本山の宿泊研修会に参加
 法然上人の800年大遠忌法要の作法を習得するために研修会に参加。中身濃かったなあ。まだまだ修練が足りないなあと反省しきりです。

9/12(土)
朝:月参り、寺務作業 − 昼〜:月参り、彼岸予定組み
 彼岸参りの予定組みに着手しましたが、お盆ほどの量はないので半日で完成。あとはいろいろペンディングしていた寺務作業を一気に片づける1日。

9/13(日)
朝:月参り、法事 − 昼:法事、月参り、墓開眼 − 夕:部屋でゆったり
 多忙な日曜日を象徴するような1日。法事はたくさんの方がお寺に参られました。お経も作法も説法も張りきって奉仕いたしました!

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