◎荒川強啓 デイ・キャッチ!の8/27ニュースランキング1位から。
NIKKEI NET(日経ネット):ひき逃げ巡査部長、直前に店で飲酒 福岡県警
お坊さんの立場から言わせてもらうまでもなく、ここ最近で一番「大人が情けない」と思えたニュース。
県警によると、古賀容疑者は逮捕直後の調べに容疑を否認したが、その後の調べで「組織や上司に迷惑をかけ、職を失うのが心配で、うそをついた。酒を飲んで運転したが、事故当時の記憶はない」と供述している。
via: NIKKEI NET(日経ネット):ひき逃げ巡査部長、直前に店で飲酒 福岡県警
事故当時の記憶がないほど泥酔していたのによく運転しようと思ったねえ。まず常習だと見て間違いないでしょうね。今回だけたまたま事故をしてアンラッキーだったのか、これまでバレずに飲酒運転を続けられていてラッキーだったのか、どの道、そろそろ自分の立場を理解して控えておくべきでした。油断して心が緩んだところに魔が差すわけで、「自分だけは大丈夫」感が高まってきたところに急転直下な出来事がやってきます。
不幸を呼ぶキーワードの一つがこの「過信」です。「慢心」も同じですが、自分の身の程というものはなかなか自分ではわからないものです。「勝って兜の緒を締めよ」とは良く言ったもので、調子の良い時ほど、悪い時以上に気を配っていないと魔が差してしまうことになります。今日はこの「慢」について考えてみましょう。
お坊さんの修業の中には、「慢」の克服があります。慢とは六根本煩悩(貪・嗔・癡・見・疑・慢)の一つですが、なかなか断つことの難しい煩悩です。細かく分けると7つの慢があって、それぞれを見ていると、これを全部克服するなんてホントお坊さんの修業って大変だなあと思います(僕なんてまだまだ及びませぬ)。
『なるほど仏教400語』(宮本啓一著/春秋社)にはこう書いています。
- 「慢」自分より劣った人にたいしては勝れていると思い、同等な人には同等であると思うこと。
- 「過慢」同等の人にたいして勝れていると思い、勝れた人にたいして同等であると思うこと。
- 「慢過慢」勝れたものにたいして、自分のほうが勝れていると思うこと。
- 「我慢」みずからの心身を、確固不動の自我であると思いこむこと。
- 「増上慢」さとってもいないのに、さとったと思いこむこと。
- 「卑慢」ずっと勝れた人にたいして、ほんの少しだけ劣っていると思うこと。
- 「邪慢」徳がないのにあると思うこと。
わかりやすいですね。要するに「他人と自分を比べるな」「自分を過大評価するな」ということです。ニュースの話題に戻りますが、酒を必要以上に飲んでしまうと慢の塊みたいになってしまうことは容易に想像できます。お坊さんに不飲酒(ふおんじゅ)と戒めた理由が分かろうものですね。・・・大乗仏教のお坊さん達はいろいろ理屈をつけて飲んでますけど・・・
お坊さんは悟りを得るために日夜「慢」と闘わねばなりません。すぐに克服できたと思っていてもまた新たに表れたりして、闘いは尽きないわけです。ちょっとずつちょっとずつ克服していき、檀家さんから尊敬されるようなお坊さんになっていかないといけません。まだまだ修業は続きます。
↓ 出来事
8/26(水)
西宮は鳴尾浜のプールでデート。京都まで送ってとんぼ返り。結構運転したなあ。
8/27(木)
宝塚の檀家さん2件にお参り。のんびりした一日ですが、内ももの筋肉痛に悩まされて、仰向けに寝ることができず。こんなに大変な筋肉痛は初めて。
8/28(金)
2ヵ月入院していたお婆ちゃんが帰宅。てんやわんやの一日。施餓鬼のお供物を送ったりと寺務作業も忙しい一日でした。