2009年8月28日金曜日

「慢」から不幸が始まる

 筋肉痛がいよいよ激しくなってきた。たった1ヵ月休んだだけで・・・(以下略)。トホホ。

荒川強啓 デイ・キャッチ!の8/27ニュースランキング1位から。

NIKKEI NET(日経ネット):ひき逃げ巡査部長、直前に店で飲酒 福岡県警
 お坊さんの立場から言わせてもらうまでもなく、ここ最近で一番「大人が情けない」と思えたニュース。

県警によると、古賀容疑者は逮捕直後の調べに容疑を否認したが、その後の調べで「組織や上司に迷惑をかけ、職を失うのが心配で、うそをついた。酒を飲んで運転したが、事故当時の記憶はない」と供述している。


via: NIKKEI NET(日経ネット):ひき逃げ巡査部長、直前に店で飲酒 福岡県警

 事故当時の記憶がないほど泥酔していたのによく運転しようと思ったねえ。まず常習だと見て間違いないでしょうね。今回だけたまたま事故をしてアンラッキーだったのか、これまでバレずに飲酒運転を続けられていてラッキーだったのか、どの道、そろそろ自分の立場を理解して控えておくべきでした。油断して心が緩んだところに魔が差すわけで、「自分だけは大丈夫」感が高まってきたところに急転直下な出来事がやってきます。
 
 不幸を呼ぶキーワードの一つがこの「過信」です。「慢心」も同じですが、自分の身の程というものはなかなか自分ではわからないものです。「勝って兜の緒を締めよ」とは良く言ったもので、調子の良い時ほど、悪い時以上に気を配っていないと魔が差してしまうことになります。今日はこの「慢」について考えてみましょう。
 
 お坊さんの修業の中には、「慢」の克服があります。慢とは六根本煩悩(貪・嗔・癡・見・疑・慢)の一つですが、なかなか断つことの難しい煩悩です。細かく分けると7つの慢があって、それぞれを見ていると、これを全部克服するなんてホントお坊さんの修業って大変だなあと思います(僕なんてまだまだ及びませぬ)。
 『なるほど仏教400語』(宮本啓一著/春秋社)にはこう書いています。
  1. 「慢」自分より劣った人にたいしては勝れていると思い、同等な人には同等であると思うこと。

  2. 「過慢」同等の人にたいして勝れていると思い、勝れた人にたいして同等であると思うこと。

  3. 「慢過慢」勝れたものにたいして、自分のほうが勝れていると思うこと。

  4. 「我慢」みずからの心身を、確固不動の自我であると思いこむこと。

  5. 「増上慢」さとってもいないのに、さとったと思いこむこと。

  6. 「卑慢」ずっと勝れた人にたいして、ほんの少しだけ劣っていると思うこと。

  7. 「邪慢」徳がないのにあると思うこと。

 わかりやすいですね。要するに「他人と自分を比べるな」「自分を過大評価するな」ということです。ニュースの話題に戻りますが、酒を必要以上に飲んでしまうと慢の塊みたいになってしまうことは容易に想像できます。お坊さんに不飲酒(ふおんじゅ)と戒めた理由が分かろうものですね。・・・大乗仏教のお坊さん達はいろいろ理屈をつけて飲んでますけど・・・
 
 お坊さんは悟りを得るために日夜「慢」と闘わねばなりません。すぐに克服できたと思っていてもまた新たに表れたりして、闘いは尽きないわけです。ちょっとずつちょっとずつ克服していき、檀家さんから尊敬されるようなお坊さんになっていかないといけません。まだまだ修業は続きます。
 
 
↓ 出来事

8/26(水)
 西宮は鳴尾浜のプールでデート。京都まで送ってとんぼ返り。結構運転したなあ。

8/27(木)
 宝塚の檀家さん2件にお参り。のんびりした一日ですが、内ももの筋肉痛に悩まされて、仰向けに寝ることができず。こんなに大変な筋肉痛は初めて。

8/28(金)
 2ヵ月入院していたお婆ちゃんが帰宅。てんやわんやの一日。施餓鬼のお供物を送ったりと寺務作業も忙しい一日でした。

2009年8月26日水曜日

お坊さん大忙しの8月!

 お盆で多忙の8月でしたが、最後の行事「地蔵盆」を終えてようやく一息つきました。
 住所等のデータ整備、日程の準備、電話かけ、お手伝いくださるお坊さんへの連絡、棚経、突然の葬儀への対応(リスケジュール)、施餓鬼塔婆準備、施餓鬼、地蔵盆準備・・・。今となってはよくがんばったなあと振り返ることができますが、毎年同じような仕事をしないといけないと考えるとやっぱりしんどいです(電話かけはほとんど母が対応しましたが、他は僕が中心になってやりました)。棚経は僕の担当は今年240件。去年よりも20件ほど増えてます。来年ももっと増えそうやなあ・・・。
 ま、このご時世にお仕事をさせていただけるだけでもありがたいわけで、ここはしっかり阿弥陀さんにもお檀家さんにも感謝しておきたいと思います。
 
 昨日8/25、約1ヶ月ぶりにジムに行ってきたら、今朝になって体のあちこちが痛い。1ヵ月程度サボるだけで(時間と体力がなかっただけなのですが)こんなにも衰えるものなのかとゾッとしました。継続は力なり。忙しくても短時間で効果が狙える加圧トレーニングの本格導入を真剣に検討しようと思いました。
 
 さて、いよいよ選挙なんですね。30日は法事がたくさん入っているので僕はすでに期日前投票を済ませてきました。民主快勝の流れができている中、小泉選挙の二の舞いを恐れる僕はあえて違う人に投票してきました。天の邪鬼なのかな。
 ただ、「僕が投票しなくても体制に影響ないだろう」とか「どうせ投票しても当選しないだろう」とかいう理由で投票しないというのは非常に危険だということを、この本を読んで僕はようやく理解できました。
Amazon.co.jp: 若者は、選挙に行かないせいで、四〇〇〇万円も損してる!? (ディスカヴァー携書): 森川 友義: 本
http://www.amazon.co.jp/若者は、選挙に行かないせいで、四〇〇〇万円も損してる-ディスカヴァー携書-森川-友義/dp/4887597126/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1251253479&sr=8-1

 投票する人が少ない若者世代の訴えを聞くよりも、確実に投票行動を取るお年寄りの声を聞く方が選挙に有利なのは当然ですよね。僕が政治家なら同じように考えるだろうな。若者よ、選挙に行こう!
 選挙に限らず、実際、今の若い人たちって他への依存度が高すぎますね。学校が面白くないからサボってみたり(自分で動いて面白くしろよ!)、やりたいことがないから就職しなかったり(あなた何様?)。身の程をわきまえて若者らしくハジけていないと、ホント誰からも相手されなくなっちゃいますよ。
 


※8月の布教活動日記は「一日中、棚経」とかなので面白くないので省略します。